こんにちは 大川 由貴(おおかわ ゆき)です!
初めてブログをご覧になる方は、ぜひ 自己紹介 もご覧ください。


今回はドレスやお着物で撮影する際、抑えていた方がいいよというポイントや撮影初心者は控えたほうが良いファッションをまとめまし

是非、撮影の際にヒントになれば嬉しいです。

 

フォーマルの場合はルールを知る

ウエディングドレスや振袖といったフォーマルウェアには、『格』や『礼儀作法』というものが存在します。

 

ドレスやお着物の場合、『格』によって小物や帯の種類が決まってきます。
合わせるべきメイクも変わってきます。
TPOによって服のグループが線引きされており、守られていないとマナーがなっていないと思われてしまう場合があります。

 

ウエディングドレスやお振袖で作品撮りをしたいという方や、ご家族やご友人の記念写真を撮る機会があれば、衣装ルールについても学ばれることをおススメいたします。

 

ウエディングや成人式、七五三といった記念撮影の場合は、着こなしのルールやセオリーがあるので従った方が無難かと思います。

「ウエディングドレス コーディネート」「七五三 着付け」など検索すると出てくるかと思います。

 

保存版!ウェディングドレスのトータルコーデ必勝法

七五三 3歳・5歳・7歳の着物の着付け方法

 

着付けも自信がなければ、着付け士さんか美容院でお願いしましょう。

 

撮影中は、ドレスの裾が曲がっていないか。おはしょりや簪が崩れていたりしないか。小物忘れがないか…等、確認します。

商業写真館での撮影程きっちりしなくてもいいかとは思いますが、なるべく綺麗に整えるに越したことはないかと思います。

できれば知識のある女性のアシスタントさんがいると、衣装直しは安心ですね。

 

記念写真を撮る場合でも、個性的でその人らしさを前面に出した写真も流行っているのでご本人様次第かとは思いますが…

記念写真の場合は写っている被写体様だけでなく、一緒にお祝いしてくださるご家族の皆様にとっても大切な一枚です。

ドレスやお着物にも特別な想い入れがあるかもしれません。

笑顔のアップのお写真は素晴らしいものですが、できれば衣装が良く見える全身のカットも撮った方が、相手の満足度は高くなると思います。

 

5年後、10年後、何かしらの折で写真を見返した時

つけるべき小物を忘れていたり、衣装が着崩れているのを見つけたら悲しいですよね。

 

創作撮影の場合などにおいては、そんなにきっちりと守らなくてもいい気はしますが、形式からそれたスタイリングはどうしてもバランスが崩れやすいので注意が必要です。

 

例えば、ウエディングドレスを着ているのに、ヘアメイクが私服の時と変わらなかったり、ネックレスなどのアクセサリー類がないと「ドレスを試着している感じ」になりやすいので、背景やポージングなどでかなり工夫しないと作品感が出なくなります。

 

打掛や振袖など、お着物の中で最も格が高い衣装を使いたいなら、合わせる帯や小物も格を揃えたほうがちぐはぐになりません。

 

たとえ趣味の作品撮りでも、抑えるべきことは抑えたほうが様になるので、せっかく時間やお金をかけてドレスや振袖を撮るなら、カマラやレンズの知識だけでなく、衣装の知識も学ばれることおススメいたします。

 

 

時代を揃える

現代ファッションの場合はさほど気にならないのですが、撮影でドレスを使う場合、背景と衣装、あるいは衣装と小物の時代感があまりにちがうと違和感が生じる場合があります。

 

また、絵画のオマージュや宗教をテーマにした作品も、スタイリングの時代感が違うと違和感があります。

 

例えば、昭和を舞台にした作品(『男はつらいよ』や『サザエさん』など)で iPhone や Mac Book が出てきたら不思議な感じがしますよね。

あえて狙って違和感のある演出をしているなど意味があるなら良いと思いますが、そうでないなら勉強不足感が否めません。

 

日本人、特に男性だとドレスのことがわからないことも多いと思いますが、撮りたいものに関する最低限の知識は抑えておかないと、すごくもったいないと感じます。

 

ネットでもある程度は勉強することが出来ますし、もっと詳しく勉強したいという方には本もあります。

図説 ヨーロッパ服飾史

西洋コスチューム大全―古代エジプトから20世紀のファッションまで

 

例えば、マリーアントワネットがファッションリーダーだったロココファッション

この時代は、『華の時代』と呼ばれるくらい、ゴージャスで煌びやかな時代でした。

 
上流階級は、庶民の様な肉体労働はしないので、動きづらくても権力を誇示するような大きなドレス
コルセットで極端に細くくびれたウエストや、パニエで贅沢に膨らませたスカート、滑稽なほど高く作り込んだヘアスタイルや巨大な帽子がこの時代は流行りました。

 

一方、デザイナーのシャネルが活躍したアール・デコのファッションは、第一次世界大戦後のファッションで、女性も社会進出して働かないと経済が成り立たない時代のファッションでした。

 

モダンでカッコいい機能的なファッションが当時のキャリアウーマンの間で流行ります。
動きづらいコルセットやパニエはなくなり、ヘアスタイルもオシャレなまとめ髪に頭にフィットするクローシェ帽が定番スタイルとなります。

 

なので、ロココ調のドレスなのにパニエが入っていなかったり、アクセサリーがシンプルすぎるものだったり…

あるいは、アール・デコ調のドレスなのにヘアスタイルが華やかすぎたり、背景が宮殿みたいなゴージャスすぎる場合だと…

 

なかなかマッチしづらく、違和感が残る作品になってしまいます。

 

例えていうなら、ビシッとビジネススーツ着て、髪もセットしているのに、ネクタイが無かったり、サンダルを履いていたら気になりますよね。

 

違和感があるとそこが気になって本来伝えたかったテーマや、見てほしい所が伝わりにくくなってしまうので、作品として発表するなら損だと思います。

 

オリジナル性溢れるスタイリングで、あえて外してオシャレにしているのか
衣装に無関心であまり力を入れていないのかは写真に写ります。

 

ドレスを撮りたいなら、着る方も慣れていないといろいろと大変なので、 はじめのうちは最低限の着こなしの知識を頭に入れて、セオリー通りのスタイリングがおススメです。

 

慣れてきたら、オリジナルのアレンジを入れて、独自性や世界観を出すような創作的な撮影に挑戦するのもおススメです。

 

 

写真に不向きなファッション

また色んなカメラマンさんにヒアリングして、撮影初心者の場合は控えたほうがいいファッションもまとめてみました。

 
趣味の撮影や、お友達同士のラフな撮影ならお好きなファッションでもいいかと思いますが…

撮影会などお仕事で撮られる場合は、指定がない限り以下のファッションは避けた方がカメラマンが撮りやすく、使いやすい作品が撮りやすいので喜ばれるかと思います。

 

キャラクター物

大きくキャラクターがプリントされたシャツや、小物類

幼く可愛らしい感じを演出できますし、好きなキャラクターであればあるほど、愛着も沸きますよね。

しかし、興味のないかたにとっては可愛さが伝わりにくいですし、逆にそのキャラクターを知っている人ほどそこに目がいってしまい、せっかく頑張った表情やポーズを見てもらいづらくなってしまいます。

また、キャラクター物はIP(知的財産)の関係で利用できる範囲が限られます。

もし、イベントや写真集などで、商業利用したい場合などは、その写真は使えなくなってしまう可能性が高くなります。

 

背景とのバランスがとれていないコーディネート

可愛いらしいスタジオなのに、かっこいいコーディネート等、スタジオとのテイストがあっていない場合… 違和感なく撮るにはハードルが上がってしまいます。

自分らしいファッションスタイルを貫くことも大切ですが、相手にとって親切なコーディネート選びも大切です。

もし、事前にスタジオを教えてもらえるなら、簡単でいいので公式サイトなどでスタジオの内装などを確認しましょう。

 

また、内装が暗い色のスタジオや、夜の撮影の場合は、黒っぽい衣装はライティングのテクニックが無いと背景に溶けてしまいがちです。

黒髪も溶けてしまう場合は、カチューシャや帽子などでセパレーションして、見えやすくするといいと思います。

 

ライティングに合っていないスタイリング

ソフトボックスなど柔らかい光で優しい雰囲気の写真が撮りたいのか、オパライトやバックストロボを強く当てるカッコいい雰囲気の写真が撮りたいのか…

なかなかモデルさんには機材やライティングのことはわかりづらいとは思いますが、撮りたい光が決まっているなら撮影前に打ち合わせておいた方がいいと思います。

光が違うだけで写真の雰囲気はガラッと変わるので、雰囲気に合わせたコーディネートのほうが作品性も上がります。

 

真っ黒ファッション

髪も、服も、アクセサリーも全部真っ黒で統一するとカッコいいですよね。

でも、黒は黒つぶれして、質感が出しにくい色です。

黒つぶれしてしまうとレタッチでも修正することが難しいため、光がコントロールできない場合は、ほかの色のほうが撮りやすいかと思います。

 

真っ白ファッション(薄いピンクやベージュも含む)

逆に、白色は白飛びしてしまうので、こちらも質感が出しにくいです。

特にサテンやエナメル等光沢が強い素材や、光の周りやすい白い部屋や雪原は飛びやすくなります。

白飛びもレタッチでの修正はなかなか難しいです。

また、白色に近い淡くて薄いピンクやベージュも白飛びやすく、色も出にくいです。

 

真っ赤なファッションや真っ黄色なファッション

特に『赤』と『黄色』は色飽和という現象が起きやすい色です。階調が無くなり、色が潰れてしまうため、べた塗りみたいになってしまいます。

彩度の高い色( 鮮やかな色・ビビットな色)ほど飽和しやすいので、やさしい色や落ち着いた色のほうが撮りやすいです。

 

 

絶対に着てはいけないというファッションはありませんが、シチュエーションや機材によって難易度の高いお洋服は存在します。

カメラマンさんのライティング技術やレタッチ技術によっても綺麗に撮れるかどうかは、大きく変わってくるので、撮影前の衣装の打ち合わせは大切です。

 

相手がまだ撮影初心者の場合は特に、何が撮りにくいかイメージできないことも多いかと思いますので、カメラマンさんは勿論、モデルさんやヘアメイクさん、スタイリストさん等もある程度、写真やカメラの知識があるとスムーズで気持ちの良い撮影ができるのではと思います。

 

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
ご感想やご質問など、コメントやSNSでいただけたら嬉しいです。
twitter @yuki931206

 

大川 由貴(Okawa Yuki)

10歳から手芸や縫製に興味をもち、パタンナーを志望する。高校卒業後は服飾系の専門学校に進学し4年間、服作りについて学ぶ。卒業後は正社員としてアパレルメーカーに就職するも、ファインアート・フォトグラフィーの世界に出会い、フリーの衣装デザイナーへと転身する。衣装制作だけでなく、カメラマン、アシスタント、モデル、子ども写真館の契約社員等、積極的に撮影現場に入りスチール撮影について学ぶ。多岐にわたる経験を活かして、 共同経営で 写真スタジオを開業する。
CGイラストやフォトレタッチにも興味をもち、現在独学で勉強中。

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